medical10

親知らず

  • 親知らずは、抜いた方がいいの?

    「親知らずは抜いた方がいいんですか?」という質問をよく頂きます。
    確かに親知らずを残しておくと痛くなったり腫れる、
    というのはよく耳にする事です。

    しかし、全てのケースで抜かなければならない訳ではなく、
    悪影響を及ぼさない場合は、後々移植歯として使用できることも
    あるので残しておいた方がいい場合があります。

    親知らずとは、永久歯の中で一番最後に生えてくる、
    前歯から数えて8番目の歯の事を指します。

    一般的に18歳〜24歳頃に生えてくると言われており、
    親知らずが生えてくる時に周囲の歯茎が炎症を起こし、
    腫れて赤くなったり痛みが伴う事があります。

    急にお痛みが出た場合はまずはお電話ください。
    炎症を抑える治療が必要な可能性があります。

    「親知らずの抜歯は痛い」というイメージが根強くあるようです。
    しかし、実際は抜歯の際には麻酔が効いていますので
    痛みを感じることはほとんどありません

    当院では麻酔自体も痛みを感じさせない工夫を
    しておりますのでご安心ください。
    痛みを感じるというのは通常麻酔が切れてからの事です。
    医院での処置とはいえ傷口と同じですから痛みが出ることがあります。

    痛みの程度・期間は人によって異なりますが、
    一般的な痛みのピークは抜歯の翌日または翌々日で、
    だいたい1週間ほどで治りますが、痛みを感じる前に
    痛み止めのお薬を飲んでいただくなどする事で、
    術後の痛みも極力抑えることが重要になります。

    しかし稀に痛みが続く事があります。
    その場合もお薬を変える・量を変える等することにより、
    痛みが楽になるように対応致します。

    当院の親知らず抜歯

    当院では基本的には左右両方の親知らずを1度に抜歯は致しません。
    下顎の親知らずの抜歯の場合、麻酔の関係上一度に抜くことが難しい場合がある為です。
    また、患者さんの親知らずの状態、お口の中の状態、全身の状態によって異なるため
    以下の場合は当日に抜歯できません。

    1. 腫れや痛みがひどい場合
    2. レントゲンやCTで確認したところ、時間のかかる抜歯になる可能性のある場合
    3. 高血圧や糖尿病、血液がサラサラになるお薬を飲んでいるなど、全身状態の確認が必要な場合

    抜歯にかかる時間と、治癒期間は?

    抜歯のかかる時間は難易度にもよりますが、麻酔時間を除けば上顎の場合比較的短い時間で抜けますし、下顎の場合でも20分〜1時間程度と、抜く場所やお口の中の状態によって時間には幅が出てきます。

    また、痛みの程度・期間は人によって異なりますが、一般的な痛みのピークは抜歯の翌日または翌々日で、抜歯後4日間程度は腫れが続き、傷口自体は1週間程度で落ち着きます。

    ◆ 抜歯への配慮

    「親知らずを抜くのが怖い」という方はたくさんいらっしゃると思います。
    当院ではそんな患者様のために「笑気ガス」をご準備しております。
    笑気ガスを使用することにより歯医者が苦手な患者様にもリラックスして治療を受けていただけます。

    ◆ 抜歯の難易度

    抜歯の難易度や施術にかかる時間、費用に関してはお口の中の状態によって様々です。
    歯が歯茎に埋まっているかどうかや、生えている向き、痛み等の症状が出てるかによって変わってきます。

    例えば通常の親知らずの抜歯であればお時間は30分程度でお薬代を含んで1,000円〜2,000円ぐらいですが、
    横向きに生えて埋まっている親知らずの抜歯になると、施術にかかる時間は約1時間で、費用は5,000円近くになります。

    また、お口の中の状態によってはCT撮影が必要になる場合があります。
    その場合は別途CT撮影代が必要となります。

    ◆ 抜歯後の注意点

    抜歯後は麻酔が効いているので、お食事をされる際は火傷や頬を噛まないようにご注意ください。
    刺激物は痛みを増強させてしまう可能性があるのでお控えください。

    また、抜歯後当日に激しい運動や飲酒、浴槽に浸かっての入浴をされますと血行が良くなり、
    出血が止まりにくくなりますのでお控えください。

    歯磨きは抜いた部分以外はしっかりと行ない、うがいは強くゆすがないようにしてください。
    出血が止まらない原因になったり、ドライソケット(骨の感染症)の原因となります。

    腫れた場合、極端に冷たいもの(氷など)で冷やさないようにし、濡れタオル等をご利用ください。
    冷やすことにより血行障害を起こして組織が固まり、治癒が遅くなることがあります。

    ◆ 大学病院等の専門機関へのご紹介

    全体の98%は抜歯しますが、以下の場合のみ大学病院等の専門機関にご紹介させていただきます。

    1. 心臓病や重度の糖尿病など、全身的なリスクが非常に高い方(通常の高血圧などは問題ありません)
    2. 極度の歯科恐怖症で、抜歯時に全身麻酔が必要な方
    3. 親知らずを抜歯する際、神経や血管を損傷する可能性が非常に高い場合
    4. 口が極端に開かない方

    親知らずの治療の流れ

    まず、お口のレントゲンを撮影いたします。
    その後レントゲンを見て、神経や血管の位置を確認し、レントゲン上で神経・血管の位置と近いと思われる場合はCTを撮影いたします。
    CTでお口の中を3次元的に確認後、問題なさそうであれば抜歯となります。

    ただ、当日抜歯させていただくことはほとんどありません。
    親知らずの抜歯は、抜いた後に腫れや痛みが出る可能性が高いので、患者様の体調やご予定を踏まえて抜歯の日程を立てます。

       
    1. 抜歯当日は患者様の体調等を確認させていただいた後、麻酔を行います。
    2. 麻酔が効くまでおおよそ10分から20分程度かかります。
    3. 痛みを全く感じない状態にしてから親知らずを抜きます。

    親知らずを抜いた当日は出血が止まりにくくなるため、飲酒・入浴・激しい運動・過度な洗口はお控えください。
    抜いた後は一般的に2,3日痛みや腫れが続く場合が多いです。
    その後約1週間後に抜いた箇所の消毒の為再度ご来院いただきます。

    実際の親知らず症例と治療費用

    Case.01

    主訴右下の親知らずが出てきたので診て欲しい
    治療期間約1週間
    治療費用4,400円
    治療内容右下の親知らずの抜歯。神経に近い可能性がある為、CTにて3Dでの撮影を行う。

    Case.2

    主訴左右ともに奥が時々痛む。
    治療期間約1週間
    治療費用1,970円
    治療内容親知らずが炎症を起こしている。CTにて神経との距離を確認後抜歯。

    Case.03

    主訴親知らずを抜いたほうがいいか
    治療期間約1ヶ月
    治療費用4,070円
    治療内容半分出ていて虫歯になる可能性があるので抜いた方がいい。CT撮影にて神経との距離を確認。問題ないので右下の親知らずを抜歯。

    Case.04

    主訴親知らずが生えてきたので診て欲しい
    治療期間約3週間
    治療費用1,710円
    治療内容右下の親知らずが横向きに生えていて、清掃性が悪く虫歯になる可能性が高い。CTにて神経との距離を確認後抜歯。

    Case.05

    主訴親知らずが生えてきたので診て欲しい
    治療期間約1週間
    治療費用4,130円
    治療内容左下は完全に歯茎の中にあるので今のところ問題はないが、右下に関しては中途半端に出てきているので抜歯の必要がある。CTにて神経との距離を確認後抜歯。

    Case.06

    主訴右下の奥が時々痛む(体調を崩した時など)
    治療期間約10日間
    治療費用3,050円
    治療内容CTにて神経の位置を確認後右下の親知らずの抜歯。


    Case.07

    主訴左下の奥が腫れているため診て欲しい
    治療期間約1週間
    治療費用4,310円
    治療内容清掃性が悪く炎症が起こっている。CTにて神経の位置を確認後左下の親知らずの抜歯。

    Case.08

    主訴左下奥がズキズキ痛む
    治療期間約10日間
    治療費用2,900円
    治療内容親知らずが中途半端に生えている為症状が出ている。CT撮影にて神経の位置を確認後抜歯。

    こんな親知らずは抜いた方が良い?

    親知らずは必ずしも抜歯しなければならない歯ではありません。
    上下の噛み合わせが合っていて、他の歯に影響を与えないようであれば必ずしも抜く必要はありません。
    親知らずが完全に歯肉の中に埋まっていて、特に炎症も起こらずトラブルも見当たらない場合です。

    温存しておくことによって、他の奥歯が抜歯になった場合、「歯の移植」という選択肢をご提案できる場合があります。

    では、どんな場合に親知らずの抜歯をする必要があるのか、その要因も含めてご説明致します。

    1.親知らずが少しだけ見えていて、これ以上生える見込みがない

    親知らずが斜めになっていたり横に倒れている場合はきちんと生えてきません。歯ブラシが届きにくく、虫歯や歯周病を起こしやすくなます。隣の歯が虫歯になった場合は治療が難しく、酷い場合は抜歯になることもあります。

    2.親知らずが手前の歯を強く押していて、歯並びに影響を与えている

    親知らずが手前の歯を強い力で押して、歯並びが悪くなってしまうことがあります。

    3.親知らずの周りに嚢胞ができている

    稀にレントゲン上で埋もれた親知らずの周りに袋状の影が見えることがあります。この袋状の物を嚢胞と呼びますが、顎の骨を圧迫したり溶かしたりすることがあります。

    4.親知らずが歯茎や頬の粘膜を傷つけている

    親知らずは噛み合っていなければどんどん延びていきます。そうなると向かいの歯茎や頬の粘膜を噛んだり、噛み合わせが悪くなったりする原因になります。

    以上の4つの他に、妊娠前の女性に親知らずの抜歯をお勧めします。
    なぜ、妊娠前の女性に親知らずの抜歯をお勧めするのか?

    妊娠するとホルモンバランスが変わり、つわりも始まります。
    免疫力が落ちる上に、つわりによって少しづつ食べ物を食べ続けたり、
    歯磨きをしにくくなったりすることで、お口の中の環境は悪化しやすくなります。

    そうなると親知らずにも痛みが出やすくなります。
    通常であれば抜歯をすれば済むのですが、妊婦さんはお腹の中に赤ちゃんがいるので、
    可能であればレントゲン撮影や痛み止め、抗生物質、抜歯処置は避けたいところです。
    その為、女性の方で抜歯が必要な可能性がある方には、妊娠前に親知らずを抜歯する事をお勧めしています。

    親知らずの痛みの原因?

    親知らずの痛みの原因は、親知らずそのものの痛みというよりは、
    「親知らずが生えてくる事が原因で発生するお口の中の状態の悪化」が原因
    となっている事がほとんどです。親知らずの痛みの原因は次のようなものがあります。

    ◆ 虫歯や歯周病

    親知らずが斜めに生えてくると歯磨きがしづらくなり、虫歯や歯周病の原因となります。
    親知らずは奥歯のさらに奥の位置に生えるので、歯磨きがしづらいのです。

    それが斜めに生えることにより、さらに磨きにくくなります。
    特に親知らずとそのすぐ前に生えている歯との接着面は磨きにくく、そこに虫歯ができやすくなります。
    少しでも痛みを感じたら一度歯医者に診てもらうようにしましょう。

    また、お口の中の状態によってはCT撮影が必要になる場合があります。
    その場合は別途CT撮影代が必要となります。

    ◆ 智歯歯周炎

    「智歯(ちし)」とは親知らずのことを指します。こちらも歯が磨きにくくなることによって生じる炎症です。

    「歯が痛む。」というよりは「顎全体が痛む。」という特徴があります。
    智歯周囲炎は、親知らず周辺の歯茎に雑菌が繁殖して起こる炎症です。
    歯茎が腫れるなどの症状も見られますので、そのような症状が出た方は早めに歯医者に診てもらいましょう。

    親知らずと歯並びの関係性

    「親知らずと歯並びの関係性はありますか?」と聞かれることが多々ありますが、
    一概にどちらとも言えず、ケースバイケースとなります。
    親知らずとして生えてくる歯は、歯としては比較的大きいサイズである事から、
    他の歯に与える影響がある場合があります。

    例えば下顎が小さい場合、親知らずが生えてくる時に生えるべき十分なスペースが確保できずに
    倒れて埋まった状態になることも多く、前にある歯を徐々に押し出して行ってしまい、
    その結果前歯がデコボコになるなどの影響を与えることもあります。

    親知らずFAQ

    ◆ 初診来院時に抜歯が可能ですか?

    基本的には可能ですが、歯の状態や全身の健康状態によって抜歯ができない場合があります。

  • –>