歯周病と肺炎の関係

こんにちは、歯科医師の西川真登です。

この時期になりますと毎年同じことを思いますが、1年経つのは早いものです。
2015年も残すところ今日が最終日となりました。

例年私は友人とお酒を飲んで過ごすという大晦日が多かったのですが、今年はお酒を少し控えます。
大掃除や家族と年越し蕎麦を食べたりして1年を厳かな気持ちで振り返ります。

そして、新たな気持ちで2016年を迎えたいと思います。
2016年も、どうぞ皆様宜しくお願い致します。

さて今回は歯周病と肺炎の関係についてです。
歯周病は様々な病気と関係があります。

肺炎を起こす細菌のおもな感染経路は気道です。空気中の細菌が気道を通って肺に到達し、そこに炎症を起こします。
ここで、話題にしたい感染経路は、唾液が気道に入り込むことで肺炎を引き起こす誤嚥性肺炎のことです。

気道に唾液などの異物が入りかけると、通常は反射的にむせたりしてそれを防ぎますが、睡眠中だとその反射が起こりにくく、わずかながら気道に流れ込んでしまうことがあるのです。
これを専門用語で誤嚥〈ごえん〉といいます。

その誤嚥によって起こる肺炎を誤嚥性肺炎と呼んでいます。
誤嚥は高齢者や、歯の本数が少ない方では良く起きる現象です。

それだけに、誤嚥性肺炎にならないよう対策も必要となります。
その一つとして、歯周病対策が挙げられるのです。

歯周病の患者さんは、唾液の中に多くの細菌が含まれています。
歯周病であることが、誤嚥性肺炎のリスクになっているということになります。

入院中の患者さんに肺炎が多く発症するのは、入院生活によって歯磨きが不十分になることが関係していることが予想されます。

まだ記憶に新しい、東日本大震災時にも、誤嚥性肺炎が話題に上がりましたし、阪神淡路大震災の時もしかりでした。

お口の中の衛生状況が悪くなると、誤嚥性肺炎は増えてしまいます。
さらに近年の研究では、歯周ポケットで産生されるサイトカインなどが肺の炎症を強めて、肺炎や肺炎以外の呼吸器の病気も起こりやすくしてしまうことがわかってきました。
実は私の祖母も誤嚥性肺炎で亡くなり、元々の原因は認知症により歯磨きができなくなったことで、この疾患になってしまいました。

これからさらなる高齢者の増加に伴い、ますます罹患率が高くなると考えられます。

歯科医師として口腔清掃の重要性をこれからも皆様に伝えていきたいと思います。
あと皆様、お正月はお餅をのどにつまらせないよう注意してください!