知って欲しい歯の大切さを守りたいあなたの歯をそして実践して欲しいあなたの歯を守るための行動を

虫歯治療・歯周病治療のあるべき姿

虫歯治療・歯周病治療と聞くと、歯の状態が悪くなった時に、歯科医院で虫歯を削ったり、歯石を除去したりすることをイメージすると思います。
しかし、私(院長)から言わせて頂くと、それは「修復」であって「治療」ではありません。

歯を削り、歯垢・歯石を除去することで一時的に症状は良くなります。
しかし、そのような状態になったのにはそれなりの理由が存在していたからであり、その原因を突き止め改善しなければ、また虫歯・歯周病は必ず再発します。

「治療」とは、虫歯・歯周病となってしまった原因を探り、再発しないお口の状態を作り出すことだと私は考えます。


虫歯「治療」・歯周病「治療」とは?

まず、私が考える虫歯「治療」についてご説明します。

歯は主に「リン酸カルシウム」からできています。
この物質は歯から出たり入ったりしているのですが、この物質が減少することで虫歯となります。つまり、虫歯にならないためには、リン酸カルシウムが減少する要因を抑え、回復する要因を増やすというアプローチが大切となります。
このアプローチをせず、ただ虫歯を削って除去するだけでは根本的な原因が解決していないため虫歯はまた再発してしまいます。

リン酸カルシウムが出て行ってしまう要因、回復する要因を下にまとめました。

リン酸カルシウムが出ていく原因

  • 細菌の種類
  • 細菌の数
  • 食事の回数
  • 糖の多い食事

リン酸カルシウムが回復する(再石灰化)要因

  • 唾液の量
  • 唾液の質
  • 歯ブラシの回数
  • 歯ブラシのタイミング

リン酸カルシウムのバランスをどのように整えるのかまでを指導し、虫歯が再発しないお口の状態を作り上げることこそが本当の意味での虫歯治療と言えます。

次に、歯周病「治療」です。皆さんも聞いたことがあると思いますが、「プラークコントロール」が歯周病治療では大切となります。プラークとは「歯垢(細菌)」のことです。
歯周病は歯垢(細菌)が原因で発症・進行していきますので、これを上手にコントロールすることが歯周病の進行を止める第一歩となります。

プラークコントロールには「セルフコントロール」と「プロフェッショナルコントロール」の2つがあります。「セルフコントロール」とはご自宅でご本人様が行って頂くものです。ブラッシングなどの日々のお口のケアがこれにあたります。

「プロフェッショナルコントロール」とは、歯科医院側が行うものです。
日々のブラッシングでは取り除けない歯石・歯垢・バイオフィルムを除去することは当然ですが、それ以外にも患者様がお口のケアをしやすい環境を整えることがこれにあたります。

例えば、歯並びの悪さが原因で磨きにくい部分が存在していればその歯を動かす、かぶせものが歯に合っていなければ作り直す、しみるとことを無くす、歯ブラシがあたって痛いところに硬い歯肉を作るなどです。

ここまで読まれて気付かれたかもしれませんが、虫歯・歯周病の改善、そして再発防止には「患者様のご協力」が必須となります。

歯科医院で処置をすれば、一時的な改善は見込めます。
しかし、「再発防止」の観点で考えると、歯科医院側ができることは、定期検診に来て頂くことと、ブラッシング指導や生活習慣指導などしかありません。

しっかりした日々のブラッシング、生活習慣の改善など、皆様のご協力が得られて初めて「治療」は完成します。


歯磨きだけでは虫歯・歯周病は予防できない?!

「毎日、歯を磨いているのに虫歯・歯周病になるのはどうしてですか?」

患者さんからよく聞かれる質問のひとつです。先程もお話しましたが、毎日の歯磨き習慣は大切な「治療」の1つです。しかしながら、それだけでは虫歯・歯周病の予防ができないのも事実なのです。

その理由は、バイオフィルムとよばれる歯磨きをしていても除去できない強力な汚れにあります。このことをお伝えするために、患者さんには次のような例え話をすることにしています。

たとえば、毎日、台所の三角コーナーの中にある「生ごみ」を捨てますよね。
これがお口の中でいう、“歯を磨く”ことにあたります。
しかし、毎日、生ごみを捨てていても1ヵ月もすると、“ヌメヌメ”してきますよね。
実は、これと同じことがあなたのお口の中でも起きているのです。

この三角コーナーのヌメヌメをきれいにするためにどうしているでしょうか?
おそらく、クレンザーなどの強力な洗剤を使用して、元通りのピカピカの状態に戻しているとおもいます。

三角コーナーと異なり、お口の中では、このような強力な洗剤を使用することはできません。したがって、それよりも安全なものとして、普段、あなたが使用している歯磨き剤を使用することになります。

しかし、残念なことに歯磨き剤だけでは口の中の“ヌメヌメ”を完全に落とし切ることはできません。これが、毎日、歯を磨いていても虫歯・歯周病になってしまうメカニズムなのです。

お口の中にできる“ヌメヌメ”をバイオフィルムと呼び、虫歯菌・歯周病菌などにとってのバリアのようなものといえます。このバリアを壊さない限り、虫歯菌・歯周病菌などに直接効果的な攻撃を加えることはできないのです。

このバリア(バイオフィルム)を除去するためには、歯科医院で定期的にPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれる“プロによる機械を用いた歯のクリーニング”を受ける必要があります。

つまり、ご自宅でのしっかりしたお口のケア・生活習慣の改善と、歯科医院にて行うクリーニング(メインテナンス)の2枚看板がしっかり機能することにより、初めて虫歯・歯周病の治療・予防システムが完成するのです。

どちらか一方だけでは意味がないことを理解して頂けたらと思います。

  • PMTC前
  • PMTC後

※PMTCでは、頑固な汚れであるバイオフィルム・歯石を除去するだけでなく、歯の着色汚れも除去することができ、歯の自然な白さがよみがえります。また、歯がツルツルになり、お口の中がサッパリします。この爽快感は患者様に大好評です!
※PMTCは、柔らかい特殊な器具を使うので痛みはありません。

また当院ではパーフェクトペリオと呼ばれる機能水を治療に使っています。
この機能水でもバイオフィルムを壊すことができ、さらにその中に潜む虫歯菌や歯周病菌を直接攻撃する作用も有しているため、当院の虫歯治療や歯周病治療で活躍しています。


定期的メインテナンスの必要性

歯科医院での定期的なメインテナンスを「した方」と「そうでない方」の年齢別の統計があります。これによると80歳になったときに残っている歯の本数は、メインテナンスを「した方」は「そうでない方」と比べ9本近くも多く歯を残すことができているという結果が出ています。

定期メンテナンスと残存歯数の関係

出所:日吉歯科診療所調べ

以下、もっと分かりやすく「メインテナンス」をしている場合としていない場合の比較を説明したいと思います。


「痛い時だけ通院する方」と「定期的に通院する方」の歯のライフサイクルと治療費の比較

痛い時だけ通院する方の歯のライフサイクル

定期的に通院する方の歯のライフサイクル

出所:日吉歯科診療所調べ

「3~6カ月に1回の定期的メインテナンスに行くのは面倒だし、費用も高くなりそうだな」と感じておられる方も多いと思います。しかし、結果はどうでしょうか。
定期的に通院した方が約300万円も治療コストがかかっていません。

また、歯科医師としてなによりも主張したい点は、「80歳になっても自分の歯でいられる」ことの素晴らしさです。
一般の方々は「歳をとれば、自然に歯が抜けてしまうものだ」とお考えの方がいると思いますが、事実は違います。若いころから歯科医院で定期的にメインテナンスを受け、しっかりセルフケアも出来ていれば、上記の図・統計にもあるように、多くの歯を残すことが可能となるのです。

歯を失うことの辛さは、実際に失った方でないと分りませんが、事実、生活の質が落ちてしまいます。快適な老後を送るためにも、早いうちから歯のありがたみを理解し、日々のブラッシング、定期的なメインテナンスを生活習慣の1つに組み込むことが非常に大切となります。


「治療の連鎖」を断ち切るために

ここまで読んでいただければ、歯科医院での虫歯・歯周病の処置が終了しても、処置前の生活習慣や歯に対する考えのままであれば、結局、再治療の可能性が高まることがお分かりいただけたかと思います。

現在の歯科医療では、虫歯・歯周病の原因が解明されており、どのようにすれば虫歯・歯周病にならずに済むかの考え方が確立しています。

虫歯・歯周病になってしまったのには、あなたにそれだけのリスク(生活習慣、ブラッシングの方法、間食などなど) が存在していたからです。このリスクを減らすことができなければ、処置をしたとしても再発する可能性は高まります。

歯医者でのメインテナンスでは、単に歯石・バイオフィルムなどを除去するだけでなく、あなたのリスクを把握し、そのリスクコントロールのアドバイスも行いますので是非有効にご活用ください。


コラム〜唾液検査で、まずはご自身のお口の状態を知りましょう!〜

当院では「唾液検査」を実施しております。
「唾液を検査して何が分るの?」と疑問に思われるかもしれませんが、あなたの虫歯リスク等がわかります。

唾液検査で判明することを少しご紹介します。

お口の中のミュータンス菌の量

ミュータンス菌とは虫歯の原因となる菌です。これが多いと虫歯リスクが高まります。

唾液緩衝能

お口の中が酸性になった時に歯が溶け始めます。その状態から中性に戻す力のことを唾液緩衝能といいます。食事をとることでお口の中は必ず酸性に傾きます。これを中性に戻す力が唾液にはあります。この力が強ければ強い程、虫歯になりにくくなります。

唾液の分泌量

上記の「唾液緩衝能」でご紹介しましたが、虫歯になりにくくさせる働きを唾液はしており、唾液が多く出ていれば虫歯になりにくく、反対に、唾液の分泌量が少なければ虫歯になりやすいのです。唾液検査によって、唾液がどれだけ分泌されているのかという「唾液の分泌量」が判明します。

上記の項目以外にも、「食事の回数」や「フッ素の使用状況」などを検査することで、あなたが虫歯になりやすいか否かを判定することができます。
また、唾液検査を行なうことで、口腔内細菌の検出だけでなく、患者様固有の情報が得られるので、オリジナルの予防プログラムの作成、予防処置効果の検証、患者様に最適な治療法を提案できるなど、あなたの歯を守るための一歩進んだ歯科治療が可能となります。

健康なお口を維持するため、あなたも唾液検査を受けてみてはいかがでしょうか?あなたのご来院を心よりお待ちしております。