虫歯と知覚過敏の違いについて

虫歯と知覚過敏は「歯が痛む」という共通点があるものの「痛みが生じるまでのメカニズム」が異なります。

虫歯の原因は「虫歯菌が産生する酸」

虫歯がもたらす影響
虫歯の原因が虫歯菌であることは、広く知られています。
もっと厳密に説明するなら、乳酸菌の一種である「ストレプトコッカス・ミュータンス菌」です。
ミュータンス菌は「糖質を乳酸に変える働き」を持っています。
食事の際に摂取した糖質を乳酸に変えることで、口腔内を酸性に変えていくのです。
ちなみに砂糖を食べなくても、虫歯になることはあります。
歯の表面にある「エナメル質」は酸に弱く、「pH5.5以下」の酸性環境で溶けはじめます。
ミュータンス菌が乳酸を産生することで「pH5.5以下の酸性」が長く保たれると、歯が溶けていくといわれています。
こうして、エナメル質に穴があくと虫歯になります。
いったん、エナメル質が突破されてしまうと、虫歯は進行の一途をたどります。
エナメル質の下の象牙質は「pH6.0~6.2」という弱い酸性環境でも溶けるからです。
象牙質まで達した虫歯を「C2:象牙質う蝕」と呼びます。
「C2」の虫歯は「甘いもの・冷たいものがしみる状態」で、まだ自発痛(何もしなくてもズキズキ痛むこと)はありません。
これが歯髄(歯の神経)まで到達すると、「C3:歯髄の仮性露出」となり自発痛が生じてきます。
このように、虫歯は進行していくのです。

知覚過敏の原因は「虫歯以外の要因による象牙質露出」と咬合

歯周病治療
知覚過敏は「象牙質が露出すること」で痛みが生じます。虫歯以外の要因で象牙質が露出し、結果として痛みが生じれば知覚過敏と呼ばれることになります。
その原因としては歯ぎしりや、強い力で行うブラッシング等があります。

  • 歯ぎしり
    歯を強く食いしばったり、擦りあわせたりすると、表面のエナメル質が摩耗します。
    エナメル質がなくなるほど摩耗すれば、当然、象牙質が表面に出てきます。
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  • オーバーブラッシング
    毎日の歯みがきは大切ですが、硬い歯ブラシでゴシゴシ磨くような方法で強い力で歯を磨くと、歯の表面が削れてしまうからです。
    こういった磨き方のことを指して「オーバーブラッシング」と呼んでいます。
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  • 歯茎の後退
    歯周病などの要因で歯茎が痩せると、歯の根元が露出してしまいます。
    歯根付近はエナメル質が存在せず、代わりに「セメント質」という層が表面を覆っています。
    歯茎が下がってくると、「歯根付近のセメント質に覆われた部分」が表に出てきます。
    セメント質はエナメル質ほど硬くありません。むき出しになったセメント質が削れて、象牙質が露出していきます。
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  • 酸蝕歯(さんしょくし)
    虫歯の項目で先述したとおり、エナメル質は「pH5.5以下の酸性」で溶けはじめます。
    虫歯pH5.5以下の酸性」が維持されるケースがあります。
    「酸性の飲食物を頻繁に摂取した場合」「頻繁に嘔吐した場合」などです。
    菌が産生した酸で溶ければ虫歯ですが、虫歯菌が介在しなくても「食習慣・嘔吐などの原因で口腔内が酸性化したケースでも、歯が溶けることはあります。
    このような要因で歯が溶けることを「酸蝕歯」と呼んでいます。
    酸蝕歯になってエナメル質が溶けてしまえば知覚過敏の症状が出ます。

 
咬み合わせによるものが大半を占めますがこれは次回に詳しくお話いたします。
虫歯と知覚過敏には、原因・治療法とも異なる部分が数多く存在しているため歯磨きの仕方や食生活などの原因をしっかりと患者様にも説明していきますのでこのような症状のある方はご相談ください